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5.根回しがお上手ですね③

ผู้เขียน: 鷹槻れん
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-04 15:55:25

 ご主人様……もとい、御神本(みきもと)さんからのゴーサインに、私は生唾をごくりと飲み込む。

 さっきうなぎをたらふく食べたけれど、私、甘いものは別腹なのっ。

 わーい! 羊羹(ようかん)!!

 ツヤッツヤですっごく綺麗っ!

 茶器の横、小さなお皿に切り分けられて載せられた、みずみずしいお色の“元祖黒田千年堂”の清水羊羹。

 どうやらこれ、島根県の方の銘菓らしい。

 御神本さんによると、端っこは砂糖を吹いてて、私がさっき言ったようなジャリジャリした食感が味わえるんだとか。

 蘇芳に近い、暗めの小豆色がたまらなく上品で美しいなって思ったの。

 けど……さすがにお客さん用だからって、さっきのお婆さんが気を遣ってくださったのかな?

 私の割り当て分は端っこじゃなくて……お砂糖ジャリリは味わえそうになくて残念です。

 あ。そうだ。

 帰りに御神本さんにお願いして、ジャリジャリ感が味わえる端っこ、包んでもらうとかありかな。

 そうすれば、入院中のお母さんにも食べさせてあげられるし。

 勝手に見知らぬ家に連れて来られたんだもんっ。

 そのくらいのワガママ言っても、罰なんて当たらないよね?

 それにほら。両サイドを落として真ん中を!って言うのより、庶民らしく奥ゆかしくて?言いやすい気がするの。

「花々里(かがり)は本当に幸せそうにものを食べるね」

 もったいないので黒文字で小さく切った一欠片をみみっちく口に入れる。小豆のいい香りが鼻に抜けて、本当に幸せな気分っ♪

 美味しーい♥

 目をつぶって舌の上に広がる上品な甘みを堪能していたら、不意にそんなことを言われて、思わず口の中の貴重な羊羹をゴクッと飲み込んでしまった。

 もぉ!

 いきなり話しかけないでよぉー!

 そもそも、目の前の美味しい羊羹の提供者は誰なのか、と言うことも忘れてキッ!と御神本さんを睨みつけたら、クスッと笑われた。

「そんなに気に入ったなら俺のもあげよう」

 言われて、私は一気に表情が緩む。

「ホントですかっ!?」

 思わず勢いこんで前のめりになる。そのまま机に手をついて膝立ちしたら、座卓を揺らしてしまった。

 その振動で湯呑みに付随していたふたが傾いて、そばの茶器にあたってかちゃりと音を立てた。

 その音に私はヒヤリとする。

 高そうな器なのに、欠けさせたり割ったりしてしまったら大変だっ。

 それに、何よりはしたなかったよね。

「……ごめんなさいっ」

 茶器、割れなくて本当よかった!

 しゅんとして謝ったら「悪いことをしたと思った時にちゃんと謝れるのは感心だね」と微笑まれて、うなだれたままの頭を優しく撫でられた。

 ふわりと香る例の香りに、我知らずトクン、と心臓が跳ねる。

 御神本さん、変な人だとばっかり思ってましたが、いい人かもしれません!

 ほら、美味しいものもたくさん食べさせてくれるし、ねっ?

***

「あ、の……ミキモ……、よ、りつ、な……はどうして私にこんなに良くしてくださるんですか?」

 どうぞ、と彼の前に置かれていた羊羹を手渡されて、それをきっかけにしたみたいにそう言ってしまった。

 これじゃ、まるで美味しいものをくれたから良い人認定したみたいだよっ。

 いや、全く違うとは言わないけれど、今の言葉は決してそこだけを指したわけではないのですっ。

 思いながら不安げな表情で御神本さんの整った顔を見つめたら、「またバカなことを聞いてくるね」と笑われてしまった。

 全然バカなことじゃないと思うんですけど?

 いくら母の知り合いだと言っても、たかだか昔、自分の実家の病院に勤めていただけの、言ってしまえばただの1職員……。

 それも、本人ではなくその娘にここまでしてくださるのって、普通じゃ有り得ないよね?

 それとも、お金持ちってそんなものなの?

 ふとそう思ったけれど、そんなことはないと思うの。

 全てのお金持ちが御神本さんみたいに行動したら、世の中は善意に満ち溢れていると思うもの。

「バカなことじゃないと思います!」

 御神本さんの割り当て分の羊羹もいただけたことで、少し気が大きくなった私は、ちまちまと削るように食べていた自分の器から、かなり大きめに切り分けた一欠片を口に入れながらキッパリと言い切った。

 ああーん。

 やっぱり大きな欠片の方が、風味も味も強くて美味しいっ♥

 真面目な話をしているはずなのに、口元がゆるゆると綻んでしまって、まるで惚気話でもしているみたいな雰囲気になってしまう。

 ダメダメ、花々里!

 口元に力、入れないと!

 そんな私を見つめる御神本さんの表情がやたら優しいのも、いつもはもう少し冷静なはず?の私の調子を狂わせるの。

***

「――そうだねぇ。キミのお母さんに頼まれたのももちろんだが、俺は結構前から花々里自身のことを、とても気に入っているのだよ」

 そこまで言って私をじっと見つめると、

「俺は昔から気に入ったものは手元に置いて、とことん甘やかしたくなる性分なんだ。そこから考えると、キミのことはいささか長いこと自由にさせ過ぎていたくらいだ」

 え?

 どう言う意味?

 説明されたほうがますます分からなくなってしまうとか……そんなのあり?

「えっと……もしかして……私のこと、ずっと以前からご存知?」

 眉根を寄せて問いかけたら

「花々里がお父上を亡くされた時にね、俺は初めてキミを見かけたんだよ」

 と、少し寂しそうな表情で私を見るの。

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